COEIROINK裏話〜ナコレコの性格がもともとの予定と大きく変わった話〜
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裏話について

少し前に、COEIROINK質問会というものを行い、色々とCOEIROINKのお話をすることができました。

でも、まだまだ「こぼれ話」がたくさんあるので、COEIROINK質問会で紹介できなかった分を、ブログで紹介していければと思います。

今回のお話

今回は「ナコレコの性格がもともとの予定と大きく変わった話」です。

ナコレコの「もともと」の性格とは、キャラクタービジュアルを公開したときに考えていた性格です。ナコレコは、COEIROINKをリリースした2021年11月19日に、この1枚絵で登場しました。このときは、まだ動画はありませんでしたが、ナコレコのだいたいの性格は考えていました。

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しかし、実際にナコレコが初めて動いて話した動画では、1枚絵のときに考えていた性格とは少し変わっていました。

今回は、ナコレコの「もともと考えていた性格」と「動画での性格」、「なぜ性格が変わったのか」をお話しできればと思います。

もともと考えていた性格

1枚絵作成時に考えていた「もともと」の性格とは、「レコちゃん(星の髪飾り)」が「元気(ちょっとおバカ)」で、「ナコちゃん(月の髪飾り)」が「クール」というものでした。掛け合いをするキャラクターのテンプレと言って良いほど色々な作品で見かける組合せですね。

「元気」と「クール」の性格を既存のキャラクターで例えると、「ご注文はうさぎですか?」の「ココアちゃん(元気)」と「チノちゃん(クール)」。「ゆるキャン△」の「なでしこちゃん(元気)」と「リンちゃん(クール)」といった感じでしょうか。

このときから、動画になったときのメインの説明役は「ナコちゃん(クール)」と考えていました。これは、「元気」より「クール」の方がファシリテーターの役割に合うと思ったからです。

個人的な動画作りの戦略として、基本はメインで話す説明役を左側に配置するようにしています。これは、人がモノを見るときに左から右へ、上から下へ視線を移動させることと、無意識の視線の固定位置としては左側になるのではないかと思っているからです。

そんな理由で、ナコちゃんを左側に配置したときに髪飾りが見えやすいよう、ナコちゃんの髪飾りは顔の左側につけました。

そして、できあがった性格・設定をもとに誕生したイラストがこちらになります。

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動画の性格

しかし、後日に公開された動画での性格では、ナコちゃんはクールというより「淡々と話すお調子者」、レコちゃんは元気というよりは「ニコニコしたおしとやか」な感じになりました。

完全にではありませんが、少し真逆になったかなと思います。

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予定と変わってしまった要因が2つありました。この後は、その要因に関して説明させてください。

COEIROINK音声による要因

性格が変わった要因の1つは、COEIROINKの品質からという技術的要因です。

最初の動画を公開する際、COEIROINKで利用できる音声は「つくよみちゃん」と「MANA」さんのお二人でした。

音声やキャラクターイメージから、最初は「ナコちゃん(クール)」に「つくよみちゃん」、「レコちゃん(元気)」に「MANA」さんでアテレコする予定でした。

しかし、ここで1つ問題がありました。今は違いますが、当時のつくよみちゃん音声は、「げんき、おしとやか、れいせい」が混ざった音声で作られており、音声の感情が少し安定しないということがあったのです。

動画内の説明役の感情が安定していないと、少し聞きにくい部分があります。そこで、説明役の声は「MANA」さんにすることにしました。

「動画の見やすさのために説明役は左側 → ナコちゃんは左側に立つ前提で、髪飾りを左側で1枚絵を公開してしまっていた」ということから、ナコちゃんは説明役です。技術的要因で説明役の声は「MANA」さんです。この流れから、ナコちゃんの声は「MANA」さんに決まりました。

結果として、「クール」で予定していた「ナコちゃん」に、元気なイメージのある「MANA」さんの声、「元気」を予定していた「レコちゃん」に、おしとやかなイメージのある「つくよみちゃん」の声を当てるという予定変更が起こりました。

(ちなみに、当時はナコレコの髪飾り位置を律儀に守ろうとしていたのですが、今は「髪飾りの位置はナコちゃんは左側、レコちゃんは右側といった絶対位置」ではなく、「ナコちゃんもレコちゃんも常に画面に対して手前側に髪飾りがくるという相対位置」で良いのではないかと思っています。)

ボケとツッコミによる要因

性格が変わったもう1つの要因は、ボケとツッコミの見直しがあったからです。

1枚絵を公開したときは、「レコちゃん(元気)」がボケ、「ナコちゃん(クール)」がツッコミだろうと漠然と考えていました。

しかし、よくよく考えてみると、私は説明役がボケの方が書きやすいことに気づきました。

「説明役の説明 → 相方のボケ → 説明役のツッコミ → 説明役が説明に戻る」という展開よりも、「説明役が説明の中でボケ → 相方がツッコミ → 説明役が説明に戻る」の方が、私は書きやすいと思ったのです。

ナコちゃんは上記のもろもろの理由から説明役で固定です。私は説明役が「ボケ」の方が書きやすいです。この流れから、ナコちゃんは「ツッコミ」ではなく「ボケ」という予定変更が起こりました

予定変更から決まった性格

2つの要因による予定変更から、ナコちゃんは

  • キャラデザ:クール
  • 声:元気(MANAさん)
  • 役割:説明役でボケ担当

レコちゃんは

  • キャラデザ:元気
  • 声:おしとやか(つくよみちゃん)
  • 役割:聞き役でツッコミ担当

という要件で動画を作ることが求められました。

これらの要件を満たすために、ナコレコは「もともと」考えていた性格から変えて、ナコちゃんは「淡々と話すお調子者」、レコちゃんは「ニコニコしたおしとやか」となったのです。

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ちなみに、ナコちゃんが敬語なのは、当時は敬語の方が生成音声が安定していたということも関係しています。

動画投稿の最初の方は、ナコちゃんは敬語が8割、タメ口が2割という適当な設定も考えていました。しかし、これは8割と2割をいい塩梅で調節できなかったので、今は基本敬語になりました。

また、キャラデザの大部分が同じナコレコを差別化するという意図で、ナコちゃんはレコちゃんに対しても敬語、レコちゃんはナコちゃんに対してはタメ口というようにしています。

ここでいうナコレコの性格に関して

ちなみに、ここでいうナコレコの性格は、「私」が動画でナコレコを動かす上で勝手に考えたものです。

ナコレコは「オリジナルキャラクターに合成音声キャラクターの声を当てても良いというイメージのためのキャラクター」だったり、「私がしたかった一次創作のためのキャラクター」だったりしますが、「名前すらも素材名で、音声だけでCOEIROINKに参加した音声提供者がいても、音声利用者がすぐに声を使えるように用意した、どんな声を当てても良い立ち絵」でもあります。

なので、皆さんはここでのお話は読み物として置いておいて、ナコレコには好きに名前・性格・声を当てていただければと思います。

もちろん、私が提供するナコレコに寄せた二次創作のような利用も歓迎しております。

イラストでのナコレコ
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Twitterでたまに公開しているCOEIROINKの公式イラストは、動画よりもナコちゃんは「クール」、レコちゃんは「元気」のイメージが強いことがあると思います。

これは、「イラスト担当とナコレコのキャラクターイメージが共有できていない!!!」というわけではありません。

こちらに関しては、イラストという媒体が関係しています。イラストにおいては、キャラごとの表情の差を大きくしたり、感情を強調した方が、絵全体のバランスがとれたり、絵の雰囲気が良く見えることがあります。そういった戦略から、イラストでは動画よりも、ナコちゃんは「クールめ」、レコちゃんは「元気め」になることがあるというお話なのでした。

おわりに

合成音声を用いるという技術的要因から、キャラクターの性格が予定と変わるのは、COEIROINKならではという感じで少し面白いですよね。

予定とは異なる形で決まった性格ですが、結果的には他ではあまりみない個性になった気がして、今ではとても気に入っています。

それでは、今回はこの辺で。また機会があれば別の記事でお会いしましょう。

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