先日、「Refind Self: 性格診断ゲーム」のプレイ配信をさせていただきました。
性格診断ができるだけでなく、物語構成もとても素晴らしいゲームだったのですが、配信内では紹介できなかった部分も多かったと思います。
配信後も少しプレイして、物語の理解がより深まったため、配信で触れられなかった物語の考察を、ブログに書いていこうと思いました。
冒頭にも書きましたが、ネタバレいっぱいの記事です。読む際はお気をつけて。
ゲーム内にも「Refind Self」というゲームが登場します。
このゲームは、博士が主人公(うつわちゃん)に性格を埋め込むために作ったゲームを、管理型(上の画像のロボット)が少し調整し、その後の記録を追加した物です。
少しの調整は、性格診断ゲーム以外の部分(チャット部分・性格診断後にうつわちゃんが羊を破壊する部分)。その後の記録は、2、3周目の最初や3周目の最後に入る博士の実験の部分だと考えています。
博士は、自分の死後の世界を生きる「うつわ」ちゃんのゲームを作り、そのゲームを誰かにプレイしてもらうことで、うつわちゃんの性格にしようとしていました。
「Refind Self」は博士の死後を描いていますが、博士が生前に作ったゲームだと思います。(AIの未来予測みたいな感じで自動生成した可能性もありますが。)
なので、ゲーム内のキャラクターの振る舞いは、博士の想像の可能性があります。
ですが、さすがにゲーム内に登場する、街並み、回想、文書に関しては、想像ではなく、事実だと思います。
そこで、ここではゲーム内に登場する事実をベースに、博士の計画を探っていこうと思います。
研究所地下の回想で、博士は子供の頃にいじめられ、人間不審になったことを語っています。
そして、人間の友達は1人もおらず、友達欲しさにうつわちゃんを造ったと話していました。
博士が友達欲しさに造ったロボットEAIの技術は、博士の住む島以外にも持ち出され、どんどん流通していったことが、研究所の本から分かります。(流通しているのは、うつわちゃんベースに作られた2世代目EAI。EAIの情報は勝手に持ち出されたと博士が回想で語っています。)
おそらく、「みらい」ちゃんなどの黒髪の女の子達は、2世代目EAIでしょう。
しかし、EAIが普及した結果、人間の仕事が奪われていき、不満が溜まっていったことが、街の張り紙からわかります。
そこで、政府はEAIを全て破棄する方針にしたのでしょう。その破棄は博士にも要求されます。
勝手に情報を持ち出して、EAIを普及させたにも関わらず、理不尽な要求をしてくる政府に、博士は怒ります。
博士がうつわちゃん達の破棄を拒否した結果か、博士は政府から攻撃されるようになります。そのことが灯台の回想でわかります。
博士は政府と和平交渉に行きますが、和平交渉中に島を攻撃されてしまい、うつわちゃんは活動停止状態に追い込まれてしまいます。
そのことで吹っ切れたのか、博士はうつわちゃんを守るために、ナノマシン(おそらく人間を死に至らせる病原体のようなもの)をばら撒き、人類を絶滅させようとします。
博士もナノマシンに蝕まれるのですが、自分の遺伝子を羊に移植し、ナノマシンの脅威がなくなる100年後に羊から再生することで、うつわちゃんと2人っきりになった世界で再開する計画をたてました。
世界を壊してうつわちゃんと2人っきりの世界を構築する。このお話......世界系だったんですね......(配信の時、ちゃんと分かってなかった。)
2人にとってベストだと思われた博士の計画ですが、うつわちゃんはそれを阻止しようとします。
画像のセリフから察するに、理由は「羊から再生した博士には、うつわちゃんの記憶がない」からでしょう。
100年間1人で生きたあげくに、記憶のない博士と再開することは、うつわちゃんにとって辛すぎたみたいです。
うつわちゃんは博士の羊を破壊し、博士と心中することを選びました。
博士は、うつわちゃんに自分の計画を受け入れてもらうために、うつわちゃんの性格を書き換える選択をとります。
ですが、何度うつわちゃんの性格を書き換えても、うつわちゃんは羊を破壊することをやめないのでした。
この物語は「博士が自分の遺伝子の羊を作る → うつわちゃんの性格を書き換える → うつわちゃんが羊を破壊する → 始めに戻る」がずっと繰り返されている物語のようです。
何度繰り返しても羊の破壊をやめないうつわちゃんに対し、博士は強行策として、うつわちゃんの記憶を消去しようとします。
最後はプレイヤーの選択になります。記憶を消去する場合は「博士の計画はそのまま遂行される」、記憶を消去しない場合は「うつわちゃんと博士が残りの時間を大切に過ごす」という物語になります。
最後の選択によって、スタッフロール後のラストが少しだけ変わります。
「消去する」を選んだ場合は「背中にネジのあるうつわちゃん」、「消去しない」を選んだ場合は「背中にネジのないうつわちゃん」の後ろ姿になります。
「背中にネジのないうつわちゃん」は、おそらく輪廻転生により、人として生まれ変わったうつわちゃんを示唆しているのだと思います。
つまりどちらの選択肢を選んでも
ということでしょう。なんてこった。
「貴方の性格によって、物語が変わる事はないでしょう」というシステムメッセージに、してやられた気分です。
最後の選択のイベントは、3周目のみに発生し、4周目以降は発生しません。この部分はゲームではなく、記録なので変えられないということですかね。
(因みに「消去する」エンドを見るために、他の方の配信動画をたくさん見たですが、ほとんどの方が「消去しない」を選んでいました。「消去する」エンドを選んでいた配信者の方は1/20くらい。)
海岸線で謎の飛行物体の落下イベントを見たあと、街に行くと博士の弟さんが倒れています。
弟さんに「博士に伝言を伝える」と約束すると、「馬鹿な姉に伝えてくれ、今すぐこんな事はやめるんだと」と言われます。(おそらく博士の計画のこと。)
「博士は死んでいる」と教えると、「なんで...機械...なんか...おれが...い...のに...」と言われます。(最後は「俺がい(る)のに」だと思います。)
弟さんの死体からは壊れた懐中時計が手に入ります。
壊れた懐中時計が示す時間を、博士の金庫に入力すると、「誰かに宛てた手紙」が手に入ります。
弟さんが持っていた止まった懐中時計がパスワードになっていたことから、この手紙は弟さんに向けたものと推測できます。(懐中時計も博士と弟さんの思い出の品なのかも。)
この手紙や、弟さんの「俺がい(る)のに」の言葉から、関係はそこまで悪くなかったように見えます。
ですが、弟さんの「なんで機械なんか」という言葉から、博士のうつわちゃんへの気持ちは理解されていなかったのかもしれません。
因みに、金庫は4回適当な数字を入れても開きますが、その場合は中からコインが出てきます。
作中では、博士の日記が3つ手に入ります。
それぞれの日記は一部読めないのですが、その間を予想で補完してみることにします。
日記1
「こんな(非道)悪な(事)を、私(だっ)て好き(でや)っている訳じゃ(ない)。でも、私には(1番)の理由がある。ああ。私は世界中の(人か)ら、嫌わ(れて)死んで(いく)のだろうな。(悲)しいな。」
日記2
「誰か、誰で(もい)い。私は悪く(な)いって知っ(て欲)しい。(どんな)風に伝え(れば)いいん(だろ)う。」
日記3
「そうだ。この(実)験に、少し(だけ)私の事(を)、(私)たち(の事)を知って(もら)えるように組み込(も)う。そう、これを読(ん)でる君の(事)さ。」
ここから、博士が計画に対して心を痛めていたことや、自分の事を、誰かに知って欲しかったということが読み取れます。
あまりの海岸線の長さから、多くの人を挫折させたワザッポ。(私もガセネタだと思っていました。)
でも実は本当。6分ほど歩くと、コインが+999され、海岸線の端に着きます。
配信で伝えきれなかった「Refind Self」の魅力を伝えるためにこの記事を書きました。
ところどころ想像が入っておりますので、本当に合っているかどうかはわかりません。
長くなってしまいましたが、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。